フルゲート16頭のジャパンC |
レース創設時のフルゲートは16頭。仮に外国馬の出走が規程最大限の10頭に達すると、日本馬の出走枠は6頭となる。招待レースであるジャパンCの場合、こうしたケースは招致活動の成功を表すものであり、外国馬については理想的なメンバーが揃う事になる。当然、JRAもこうした状況を想定している以上、世界最強メンバーを迎え撃つ日本馬の頭数についても、6頭では足りないなどという事はあり得ない。加えて、ジャパンCのフルゲートを16頭に抑えている背景には、東京コース初出走の外国勢が多く集まる中、多頭数による有利不利が生じる事を避けるという理由もある事から、先述のケースでの日本馬6頭の出走が多すぎるという事にもならない。 当時、同コース同距離の日本ダービーがフルゲート28頭で行なわれていた事を考えると、ジャパンCについては少数精鋭のメンバーを理想とするJRAの思惑は十分に想像できる。そうした中で日本馬6頭の出走を想定しているという事は、日本を代表する長距離強者を選定する際、必要かつ十分な頭数を6頭とするJRAの判断があった事になる。考えうる6頭の日本代表馬については、現GT格の長距離重賞競走の全ての勝ち馬、つまり、その年のダービー馬・菊花賞馬・春秋の天皇賞馬・宝塚記念馬、前年の有馬記念馬の計6頭と考えて間違いないだろう。(※当時の秋・天皇賞は3200b) もっとも、3歳馬・古馬の世代間の優劣を決する有馬記念を終えていない時点において、ジャパンCに出走した日本馬のうち、どの馬が日本最強馬であるか判らない。ジャパンCを勝った外国馬がJRA所属馬全てに勝る事を証明するには、出走した日本馬の中にその年のダービー馬と春・天皇賞馬が含まれている事が必要となるが、そうしたケースはこれまで1度たりともない。もちろん、日本馬が凱旋門賞馬やBCターフ優勝馬に勝ったところで世界最強の座を得た事にはならない。 結局のところ、ジャパンCでの勝敗は、その後の番組に影響を与えるものではなく、それ以前の番組を反映したものでもない事になる。早い話が、3歳クラシックや天皇賞のような番組の柱を主戦場とする実力馬は、ジャパンCでの連対に関わるべきではないという事だ。セン馬・マル外・牝馬といったJRA競馬の脇役たちがジャパンCで好走するのはそのためだろう。もちろん、シンボリルドルフやテイエムオペラオーのような主役がジャパンCを制する事も少なくないが、そうした背景には先述の『6頭の日本代表』という前提が崩れている。同一馬による複数の長距離GT勝ち、宝塚記念の国際化、有馬記念の外国馬出走特例などである。 |
同一馬による複数の長距離GT勝ち | 日本馬の1・2着(※牝馬を除く) | ||||
84 | SR3 シンボリルドルフ | ダービー&菊花賞 | 秋天:中距離化 | CB4 カツラギエース | |
85 | SR4 シンボリルドルフ | 前年有馬&春天皇賞 | SR4 シンボリルドルフ | *** ロッキータイガー | |
86 | |||||
87 | |||||
88 | MN4 タマモクロス | 春天皇賞&宝塚記念 | MN4 タマモクロス | ||
89 | MN5 イナリワン | 春天皇賞&宝塚記念 | 昭和天皇崩御 | *** ゾロ目 | *** ゾロ目 |
90 | |||||
91 | |||||
92 | MB3 ブルボン&ライス | ダービー&菊花賞 | TO4 トウカイテイオー | ||
93 | *** ゾロ目 | *** ゾロ目 | |||
94 | NB3 ナリタブライアン | ダービー&菊花賞 | WT4 マーベラスクラウン | ||
95 | |||||
96 | TA4 マヤノトップガン | 前年有馬&宝塚記念 | 推薦委員会廃止 | ||
97 | |||||
98 | SW3 エルコンドルパサー | ||||
99 | SW4 グラスワンダー | 前年有馬&宝塚記念 | SW4 スペシャルウィーク | ||
00 | AV4 テイエムオペラオー | 春天皇賞&宝塚記念 | AV4 テイエムオペラオー | AV4 メイショウドトウ | |
01 | AV5 テイエムオペラオー | 前年有馬&春天皇賞 | JP3 ジャングルポケット | AV5 テイエムオペラオー | |
02 | 中山代替開催 | ||||
03 | TG4 ヒシミラクル | 春天皇賞&宝塚記念 | 16頭→18頭 | AF6 タップダンスシチー | NU3 ザッツザプレンティ |
04 | 記念競走? | *** ゾロ目 | *** ゾロ目 | ||
05 | DI3 ディープインパクト | ダービー&菊花賞 |
天皇賞馬・春 | ダービー馬 | |||||||
84 | Sルドルフ | ダービー&菊花賞 | シンボリルドルフ | 3着 | カツラギエース | |||
85 | Sルドルフ | 前年有馬&春天皇賞 | シンボリルドルフ | 1着 | シンボリルドルフ | |||
86 | ||||||||
87 | ||||||||
88 | タマモクロス | 春天皇賞&宝塚記念 | タマモクロス | 2着 | ||||
89 | イナリワン | 春天皇賞&宝塚記念 | イナリワン | 11着 | ゾロ目 | ※ | ||
90 | ||||||||
91 | メジロマックイーン | 4着 | ||||||
92 | Mブルボン | ダービー&菊花賞 | トウカイテイオー | |||||
93 | ライスシャワー | 14着 | ウイニングチケット | 3着 | ゾロ目 | |||
94 | Nブライアン | ダービー&菊花賞 | マーベラスクラウン | |||||
95 | ||||||||
96 | Mトップガン | 前年有馬&宝塚記念 | ||||||
97 | ||||||||
98 | スペシャルウィーク | 3着 | エルコンドルパサー | |||||
99 | グラスワンダー | 前年有馬&宝塚記念 | スペシャルウィーク | 1着 | スペシャルウィーク | |||
00 | TMオペラオー | 春天皇賞&宝塚記念 | テイエムオペラオー | 1着 | アグネスフライト | 2着同枠 | テイエムオペラオー | |
01 | TMオペラオー | 前年有馬&春天皇賞 | テイエムオペラオー | 2着 | ジャングルポケット | 1着 | ジャングルポケット | |
02 | ||||||||
03 | ヒシミラクル | 春天皇賞&宝塚記念 | ネオユニヴァース | 4着 | タップダンスシチー | ※ | ||
04 | ゾロ目 | |||||||
05 | Dインパクト | ダービー&菊花賞 |