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【番組解読】 フェブラリーS

 84年グレード制導入に伴って新設されたダート重賞。この年の新しい制度が、もしも中央競馬全体のレベルアップ、国際化に向けた必要不可欠なものだとすれば、フェブラリーH(現・フェブラリーS)・ウインターS(現・東海S)のダート重賞新設など全く無意味なもの。逆な見方をすれば、わざわざダート重賞や短距離GTを新たに用意した84年グレード制の本質は、ダービーや春天皇賞とは正反対な路線を充実させる事に重きを置いていると考えられるのです。
 では、そうした背景の中、フェブラリーHに与えられた役割とは何でしょうか。単純に、中央競馬の基幹である中長距離競走の敗者たちのために用意されたのであれば、1800〜2000Mのダートで実施する方が自然。にもかかわらず、主要4場で唯一のダート重賞競走が1600Mに設定された番組編成の意図にこそ注目すべきです。つまり、同じく84年に新設された2つのマイル競走、安田記念・マイルCSをあきらめた世代のため、その中間時期に同距離の低いグレード競走が用意されたと推測できます。

 同世代がマイルCS〜安田記念を連勝する事、安田記念〜マイルCSを連勝する事は決して珍しい事ではありません。マイルCSを勝った世代が翌年のフェブラリーSを勝つ事も珍しい事ではありません。しかし、フェブラリーSがハンデ重賞から別定戦へ変わった94年以降、つまりダート最強世代を決める仕組みが生まれた時から、そのダート最強世代が芝の安田記念を勝っている例は一度もありません。(下表参照)

 中央競馬が芝のレースを中心に番組編成されている以上、どんなに高額な賞金が設定されたダート重賞であろうと、それは芝のレースをあきらめた馬のために用意されているとしか考えられません。フェブラリーSについていえば、安田記念をあきらめた世代、安田記念の敗北が決定した世代の為に行われる残念賞という可能性が高いと思われます。
 もっとも、安田記念自体が春天皇賞の残念賞であり、春天皇賞が“基本的には”各世代に用意されているわけですから、いつまでたっても最後の残り物(=フェブラリーS)が同一世代に与えられるという状況は考えずらい。フェブラリーSが別定戦になった94年以降、同世代による連覇がないのは、そうした背景があると思います。(※03〜04年にタニノギムレット世代が連覇しているが、03年は中山代替開催。)
 次に、もう一つのマイルGT、前年のマイルCSとフェブラリーSとの関係を見てみます。安田記念との関係とは異なり、同一世代がマイルCS〜フェブラリーSを連勝しているケースが目立ちます。ただし、その全てが5歳上世代によるもの。マイルCSを勝った3歳世代が、明け4歳のフェブラリーSを勝ったケースはこれまでにありません。
 もちろん、これらは単なる偶然に過ぎない可能性も否定できません。しかし、芝とダートのマイルGT競走が、各世代がどのように分け合ってきたかという推移については、今後の参考になると私は思います。

 いずれにしても、フェブラリーSによってダート最強世代が決定される役割が番組に盛り込まれている事は間違いありません。だとすれば、その世代の中から選ばれた過去の1着馬には、世代を代表するに値する戦歴がフェブラリーSの1着条件として特徴付けされているはずです。しかし、ダート最強を証明する戦歴とは一体どのようなものでしょうか。
 もしもダート版テイエムオペラオーのような無敵の古馬がいたとしても、それを受け入れるローテーション(=番組)が編成されていないのが中央競馬の実情です。地方競馬のドサ回りをせず、芝のレースを使わず、GVレースやハンデ競走を使えないとすれば、フェブラリーSを勝った後にその強さを示すレースは、東海SとJCダートしかありません。
 もしも本当にドバイWCで圧勝するような日本競馬史上最強のダートホースが現れた場合、JRAは競馬年間番組表の不備を世界中にさらす事になるのです。しかし、そんな事など百も承知で番組を編成しているその意図は、ダートしか走らない馬など価値がないというJRAの考え方から生まれていると思われます。
 芝レース重視のJRA競馬において、フェブラリーSの1着馬がそうした位置づけをされているとすれば、未整備のダート重賞を勝ち続ける事などさほど意味がない事になるし、芝の重賞を負け続ける事もフェブラリーS1着馬の価値を下げるものにはならないのです。



(つづく)


【参考資料】世代テーブル(マイルCS〜フェブラリーS〜安田記念)
前年のマイルCS フェブラリーS 安田記念
84 BA5 ロバリアアモン KA6 ハッピープログレス
85 CB4 ニホンピロウイナー BA6 アンドレアモン CB5 ニホンピロウイナー
86 CB5 ニホンピロウイナー SR5 ハツノアモイ CB6 ギャロップダイナ
87 SS4 タカラスチール SR6 リキサンパワー DG4 フレッシュボイス
88 DG4 ニッポーテイオー SR7 ローマンプリンス ゾロ目 DG5 ニッポーテイオー
89 ST3 サッカーボーイ DG6 ベルベットグローブ ゾロ目 ST4 バンブーメモリー
90 ST4 オグリキャップ WC4 カリブソング ST5 オグリキャップ
91 ST5 パッシングショット IF4 ナリタハヤブサ ←同世代→ IF4 ダイイチルビー
92 IF4 ダイタクヘリオス TO4 ラシアンゴールド ←同世代→ TO4 ヤマニンゼファー
93 IF5 ダイタクヘリオス TO5 メイショウホムラ ←同世代→ TO5 ヤマニンゼファー
94 MB4 シンコウラブリイ ←同世代→ MB5 チアズアトム GV→GU WT4 ノースフライト
95 WT4 ノースフライト NB4 ライブリマウント *** −−
96 MB6 トロットサンダー WT6 ホクトベガ ゾロ目 MB7 トロットサンダー 
97 TA4 ジェニュイン FC4 シンコウウインディ GU→GT NB6 タイキブリザード
98 SB3 タイキシャトル TA6 グルメフロンティア 日程変更 SB4 タイキシャトル
99 SB4 タイキシャトル ←同世代→ SB5 メイセイオペラ 1月開催 SW4 エアジハード
00 SW4 エアジハード ←同世代→ SW5 ウイングアロー 日程変更 *** −−
01 AF3 アグネスデジタル AV5 ノボトゥルー SB7 ブラックホーク
02 AF4 ゼンノエルシド ←同世代→ AF5 アグネスデジタル AV6 アドマイヤコジーン
03 AV6 トウカイポイント TG4 ゴールドアリュール 代替開催 AF6 アグネスデジタル
04 TG4 デュランダル ←同世代→ TG5 アドマイヤドン JP6 ツルマルボーイ
05 TG5 デュランダル KK4 メイショウボーラー TG6 アサクサデンエン
06 KK4 ハットトリック DI4 カネヒキリ *** −−
07 KK5 ダイワメジャー


【参考資料】フェブラリーS(戦歴分析 ※期間=前年・安田記念〜 ※長距離=2200M以上)
フェブラリーS 芝競走出走歴 条件戦出走歴 長距離出走歴
97 FC4 シンコウウインディ × 500万下特別 ×
98 TA6 グルメフロンティア 日程変更 天皇賞・秋 × ×
99 SB5 メイセイオペラ 1月開催
00 SW5 ウイングアロー 日程変更 × × 東海S
01 AV5 ノボトゥルー 1600万下特別 1600万下特別 ×
02 AF5 アグネスデジタル 天皇賞・秋 × ×
03 TG4 ゴールドアリュール 代替開催 × × ×
04 TG5 アドマイヤドン × × ×
05 KK4 メイショウボーラー マイルCS × ×
06 DI4 カネヒキリ × × ×
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